top of page

米企業の営業マーケティングにおける生成AI活用事例 - Anthropic

Nov 19, 2024

5 min read

0

2

はじめに

2021年に設立されたAnthropicは、高性能な大規模言語モデルClaudeを開発する先進的なAI企業です。信頼性が高く、解釈可能で制御可能なAIシステムの構築をミッションとしています。

今回は、同社の初代セールスオペレーション責任者であるAdam Wall氏が、Clayとよばれる生成AIベースのツールとCRMを活用してデータエンリッチメントとスコアリングのパイプラインを構築し、手作業を排除した事例をご紹介します。


主な成果

  • コンタクト情報や企業情報などのデータエンリッチメントのカバレッジを3倍に向上

  • Clay上でClaudeを活用したカスタムフィールドによるリードスコアリングの改善

  • Salesforceの商談データ更新の自動化により週4時間の工数削減

  • インバウンドリードのエンリッチメントとスコアリングを完全自動化

  • データプロバイダー契約の集約と最適化


課題:大量のリードに対する少人数のGTMチーム

Anthropicのセールスチームは小規模でありながら、インバウンドリードに注力する必要がありました。商談機会を逃さないためには、リードを素早く特定してアプローチすることが重要でした。

このような状況で企業が取りがちな対応は2つです:


  1. インバウンドリードを無視する

  2. リストの精査と調査に多くの人員を割く


しかし、成長意欲の高いAnthropicにとって、わずか数名のアカウントエグゼクティブしかいない中で、これらの選択肢は現実的ではありませんでした。

Clay導入以前は、1人のスタッフが手作業でリードの選定とセールス担当者への振り分けを行い、Salesforceへの企業データの手動登録を行っていました。業界標準の主要データプロバイダーを使用していましたが、データの欠落や重複排除に苦心していました。

Adam氏は、セールスチームが最も価値の高い活動(見込み顧客との直接的なやり取り)に集中できるよう、Clayを導入してリードのエンリッチメントとスコアリングを自動化することを決断しました。



1. インバウンドリードの自動エンリッチメント

Adam氏は、Clayを使用してすべてのインバウンドリードに対して以下のような情報を自動的にエンリッチメントしました:

  • メールアドレスや電話番号

  • 企業ドメイン

  • 企業規模

  • 資金調達ラウンド など

エンリッチメントされたデータはSalesforceに送られ、スコアリング可能な販売パイプラインの一部となりました。

「Clayを使用することで、複数のデータエンリッチメントベンダーを1つのプラットフォームで簡単に試すことができました」とAdam氏は語ります。「以前の単一のプロバイダーと比べて、Clayを通じて複数のプロバイダーを組み合わせることで、マッチ率を3倍に向上させることができました。」


2. カスタム業種カテゴリーによる独自の顧客セグメンテーション

多くの企業は、既製の業種データフィルターを使用せざるを得ない状況にあります。しかし、業種カテゴリーは必ずしも信頼性が高くなく、また「テクノロジー企業」のように範囲が広すぎて意味をなさないことがあります。

AnthropicはClay上でClaudeを活用し、見込み顧客の業種を独自に定義した数十のカテゴリーに分類しています。「Clay上でClaudeを展開することで、業種タグをプログラム的にカスタマイズできます」とAdam氏は説明します。「メンテナンスの必要がない、自動化された永続的な業種分類マッピングを実現できました。」

さらに、Anthropicは以下のような主観的なセグメンテーションにもClaudeを活用しています:

  • B2BかB2Cか

  • PCファーストかモバイルファーストか など


3. PLGサインアップのメールアドレス変換

多くのユーザーが個人メールアドレスでAnthropicの公開製品にサインアップしています。その中には、上位プランへの移行が見込める企業のパワーユーザーも含まれています。しかし、個人メールアドレスから仕事用メールアドレスや企業ドメインを特定することは非常に困難です。

Clayを使用することで、Adam氏は:

  1. 個人メールアドレスから仕事用メールアドレスへの変換

  2. 企業ドメインの特定

  3. 企業規模や資金調達ラウンドなどの関連情報の取得

という一連のプロセスを実現しました。


Salesforceとの条件付きデータ連携の自動化

多くの組織にとって、Salesforceでの商談データの作成と更新は想像以上に複雑なプロセスです。リードリストは様々なソースから生成され、従来であれば、CRMの既存の商談やアカウントとの突合作業が必要でした。

Adam氏はClayを使用して、以下のワークフローを自動化しました:

  1. 企業ドメインを基にSalesforce上の商談を検索

  2. 既存の商談がある場合は更新

  3. 存在しない場合は新規商談を作成し、アカウントレコードも作成

「この多段階のデータアップロードプロセスをClayで自動化することで、3-4時間かかっていた作業を10分程度に短縮できました」とAdam氏は述べています。


Clayがもたらした具体的な効果

Anthropicのリードエンリッチメントとセールスデータパイプラインは、以下の3つの主要な効果を実現しました:

1. データエンリッチメントの品質向上

  • エンリッチメントのカバレッジが3倍に向上

  • カスタム定義フィールドを含む包括的な顧客データの取得が可能に

2. 大幅な工数削減

  • Salesforceデータ更新の自動化により週4時間の削減

  • インバウンドリード処理の自動化による多大な時間節約

3. ベンダー管理の最適化

  • Clay経由で80以上のデータプロバイダーにアクセス可能

  • テクノロジースタックの簡素化を実現


より深い分析の実現

より完全なデータを手に入れたことで、Adam氏は新しい方法でセールスパイプラインを分析できるようになりました。「Clayのおかげで、これまでは不可能だった多角的なレポーティングが可能になりました。例えば、特定の売上規模を基準とした顧客パイプラインの分析などが容易にできるようになりました」と語ります。


まとめ

AnthropicのGTMチームが成長を続ける中、Clayで構築したワークフローにより、データ品質を損なうことなく効率的にプロセスを拡張できています。セールスチームはSalesforce上で作業に集中しながら、CRMを離れることなくエンリッチされたクリーンなデータにアクセスできます。これにより、手作業による単純作業を省き、見込み顧客とのコミュニケーションに時間を集中させることが可能になりました。日本ではLeedScopeがこれを実現しています。インバウンドリードの成約率向上やアカウントリサーチに課題を抱えている方こちらからLeedScopeに無料サインアップ可能です。是非お試しください。

Nov 19, 2024

5 min read

Related Posts

bottom of page